開志学園高等学校
設計データ
高等学校の移転計画である。
計画地は、北側に幅員33mの県道があり、車の交通量は比較的多い。西側は緑豊かな田園風景が広がる。幹線道路とのどかな風景との両方が混在する地方都市特有の場所にある。
周辺建物は、住宅であったり、店舗であったりと用途はさまざまであるが、建物規模は総じて大きくなく、街並みを形成する屋根の形状は、切妻・寄棟・片流れである。
そういった場所に立つ学校は、同じく切妻・寄棟・片流れで構成することが、景観形成としてふさわしいと考えた。屋根の大きさを分節し、可能な限り周辺建物に調和した計画とした。
開志学園は、多彩な選択フィールド科目があり「文化芸術」「音楽エンタテイメント」「スポーツ」「進学実践」と生徒の個性を尊重し、可能性を最大限に伸ばそうとしている学校である。いろんな個性が集まる場であるならば、日常的にその個性が互いに意識しあえる、つながっている空間が必要と考えた。
ホールを介して1階には家庭科室、2階には音楽室、そして、生徒の日常の生活動線である3層吹き抜けの階段。それぞれが視覚的につながり、他の個性に気づくことで自分の個性を認識する。そんな校舎を目指した。