ヨーロッパ建築視察 2014
2014.11.06
ヨーロッパ建築視察 2014
- ヨーロッパ編 (オーストリア、ベルギー、フランス)
- 2014.10.19~10.25 7日間 東京事務所 宮村 匡介
- ■目的
- 某日本国内建築資材総合商社の金物工法の大型木造建築物の視察
- 及びCLT(直交集成板)の製造工場の見学及びその他周辺都市の建築視察。
- ■ 期間 2014.10.19 午前 成田発 10.25 夕方 羽田着 7日間
- ■ 視察先
- オーストリア : ウィーン、イップス (ストラエンソ工場、ミュールベック木造集合住宅、ウィーン市内建築見学)
- ベルギー : トゥルネー (大型木造建築物見学)
フランス : パリ (オルセー美術館他パリ市内建築見学)
- 1
ウィーン市内からバスで1.5時間ほどのイップスにある1288年創業のストラエンソ社の工場見学。
40分程の会社概要のプレゼン拝聴し、いざ工場見学。CLT製造工場だけにこの建物も勿論CLT構造の木造建築。
企業秘密で写真撮影はNG。完成品が2.95×16.0mだけにやはり広い工場であった。
その後、CLT構造の施工例であるショッピングセンターと集合住宅の見学を行った。
- 2.
ウィーン市内建築見学。路面電車が走り、パリに比べ人が少なくとても落ち着きがあり、感じの良い街であった。
マリア・テレジアやマリーアントワネットが過ごしたシェーンブルン(美しい泉の意味)宮殿、郵便貯金局(オットーワーグナー設計)、
フンデルトヴァッサーハウス(集合住宅)、ガソメーター(旧ガスタンク施設をコンバージョンし、店舗や集合住宅に改修)等を見学。
- 3
パリからバスで片道約3時間のベルギーのトゥルネーにある大型木造建築物の視察。木造4階建て、延べ面積7000m2の躯体見学。
集成材と接合金物で構成。道路側である建物正面は火災にあったお城をリノベーション後その建物と接合し、
高齢者施設と50戸のアパートメントを構成する計画。古くても景観条例で昔の建物を保全し、再利用しなければならいとか。
その後、トゥルネー市内建築見学。世界遺産の一つでもあるノートルダム大聖堂を囲む街並みはとても綺麗だった。
- 4
パリ市内建築見学。トゥルネーからの長距離視察を終え、その直後今度はナイトクルーズ。また移動であったがパリの綺麗な
夜景とおいしいディナーで長距離移動の疲れは解消。翌日はオルセー美術館で建築本体と美術品を堪能。
やはり、教科書でみている作品を目の前で見られるのはとてもうれしい。その後は自由行動で駆け足でフランス国立図書館(ドミニク
・ペロー設計)、アラブ世界研究所(ジャン・ヌーベル設計)、ポンピドーセンター(レンゾピアン/リチャード・ロジャース設計)他を見学。
タクシーで集合場所に向かったが映画「タクシー」(リックベンソン監督)のような運転はせずとても安全運転であった為、
集合時間に間に合わず、同行者にひんしゅくを買ってしまった。 - ■まとめ
駆け足でのヨーロッパ視察であった。やはり、各都市に1週間くらいは居たいものだ。しかし、そんなことをしていたらクビになってしまう。
私にとって欧州は初体験だったがやはり北米とはかなり趣きが違うことを実感した。歴史の深さが違いすぎるのだろう。
歴史の深さを感じるのは建物をリノベーションし活用しているところであると思う。日本のようにスクラップ&ビルドでは決してない。
それに街並みを大切にしている。日本をはじめとするアジア諸国にはあまりない考え方だと痛感せざるを得ない。
反省すべき点だと思う。今後の設計案件には景観条例に適合しながらも街並みに溶け込むデザインを心掛けたいものだ。